キログラムの新基準に日本を含む5カ国の研究機関が確立。130年間使われていた原器の分銅が引退。

約130年間パリに保管されていた分銅「キログラム原器」が重さ1キロを示す「物差し」になってたんだけど、役割が終了する。少し寂しい気もするけど……。
質量の単位「キログラム」を新しく定義できる技術的な手法が確立され、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)など5カ国の研究機関が発表したらしい。来年11月の国際会議で正式に決定されるようです。

 

ついに定数の精度を1億分の2.4以下まで高めることに成功。原子の数や原子間の距離を測ることで小数点以下43位までの値を特定することに成功できたんだって。細かすぎて逆に凄さがよくわからないな。
他の7チームが行った定数測定でもこの値と近い結果がでて、重さの基準を厳密に定める国際的な水準をクリアしたという。産総研の藤井賢一・主席研究員は「日本が単位の基準に関わるのは初めて。創薬や微粒子を測る環境計測なそ微量を扱う分野に活用できる。」と言ってました。定義が採用したら、原器は不要になるんだって。

原器は白金イリジウム合金で作られた分銅。質量が一定のはずなんだけど、表面の汚れなどを洗うとごく微量に軽くなってしまうから、精度の信頼性が落ちてしまうかららしい。「洗わない」は洗わないで化学変化が起きて別物になっちゃいそうだけど。1889年のメートル条約で作られて、パリの国際度量衡局で厳重に保管されてるみたい。

 

産総研などの世界5カ国・8研究チームは「量子力学」の基本的な定数である「プランク定数」を使って正確な質量を導いたんだって。産総研では均質な結晶構造を持つ半導体の材料「ケイ素」を使い、重さ1キロ、直径9.4センチの球状の塊を製作したようです。

 


「キログラム原器」は人工物としては「最後の物差し」とさてれてたんだって。長さや時間の「物差し」を巡っては、これまでは実物を基にした定義が尺度とされていたんだけど、最新科学を利用した現代的な定義に置き換えられつつある。かつては長さにも「メートル原器」があったが、光の速度で再定義されました。光の速さで物の長さが決まるってなんか変な感じですね。